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2010-01-14-Thu-01-02

ちょっとした珍道中。その4

何回目かの予約投稿ー。
第四部かな。
いよいよ完結です。 「…納得がいかんッ!」

「まだ言ってるのかよ、レスカ。」

「当たり前だ。不当だ。不当労働だ!」

一応あるらしい道を歩きながら、テヌートは大きくため息をつく。

魔物を倒してから村に戻ったテヌートとレスカは、村人に大歓迎された。

その後はもう、倒した魔物の肉を使った料理のフルコースが並ぶ、村をあげての大宴会だった。

しかし、問題は村長から次の日渡された『対価』にあった。

「俺は魔物の干し肉のために、剣を振るったんじゃない!」

「仕方ないですわ、レスカさん。あの村には、お金がなかったのですから。」

そう、あの村の売り買いはみな物々交換でなされていて、金は一銭たりともなかったのだ。

実はこんな未開の村では、通貨が石だとか金の概念がないとかいうのは、文献によくある記述だったりするのだが、

一介の騎士であって、学問とほとんど関わりのないレスカが、知るはずも無い話だった。

「まぁ、そう怒るなよ。珍しい収穫もあったんだしさぁ。」

テヌートがぽんぽんと本の表紙を軽く叩いてみせる。

それは、テヌートの日記だった。

しかしその日記に、昨日、テヌートは村の医者から聞き出した医術を、宴会そっちのけでしたためていた。

医術自体の情報価値は確かに少ない。

しかし、あの村のある種の閉塞された空間の中で発展した医術には、独自の発展段階と独自の医学や薬が……

「テヌート、お前の日記に興味はない! 金だ!!」

「お前は金カネ五月蝿いッ!!

国に帰ってこの日記に書いた医術をまとめて論文にすりゃあちょっとは儲けに…」

「それまで待てるか!テヌート、この不当労働、どう責任を払ってくれる!」

「払ってくれるって言ってるあたり俺に金要求する気満々だろッ!!」

「無論だ。主としてそのくらい当たり前のだろう。」

はぁ、とテヌートはため息を吐き出す。

全くこの金の亡者は、俺からこれだけ金を搾り取っていったい何に使う気なのだろうか。

「あら、道がありませんわ。」

さっきから黙って道を辿っていたフェルが、立ち止まって目の前をぽかんと見ている。

その視線の先には、一本の巨木が、道を塞ぐ形で青々と葉を茂らせていた。

テヌートはその木の後ろを見てみるが、やはり道はない。

村は、存在すら忘れられている、数年にあるかないかの割合で、テヌートたちのような旅人が訪れる小さな村だ。

当然村の外の道も、村人が日常生活で使う範囲までしかない。

「どうするんだよ、この状況。」

「知らん。自業自得とはこのことだな。」

「いや、元々の元凶お前だからッ!」

はぁ、とテヌートは今日何度目かのため息をつく。

名も知らぬ生き物の鳴き声が、きゃきゃきゃ、と森にこだました。


(fin)

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